Well-being経営の新しいかたち②~病気を未然に防ぐために大事なこと~
- Chieko│労働衛生コンサルタント

- 2025年10月12日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年11月27日

▼目次
はじめに 働く人の病気を未然に防ぐには
産業医学の分野では予防医学という考え方が重視されています。
病気を未然に防ぐことは、とても大切な視点です。
作業環境管理をはじめとする、労働災害防止のための「3管理・5管理」は、
事故や有害環境によって従業員が健康を損なわないようにするための重要な取り組みです。
さらに、メタボリックシンドロームを対象とした生活習慣病予防や、
メンタルヘルス対策としての「4つのケア」なども、
産業保健の現場ではよく語られています。
私は、働く人の病気を未然に防ぐ方法を考えるとき、
こうした取り組みに加えて、むしろそれらの前提として
見過ごされがちな、大切な視点があると感じています。
それは――
人間には本来、恒常性(ホメオスタシス) や 自然治癒力 が備わっているということ。
そして、病気は、ひとつの原因ではなく、 複数の要因が重なり合って発症する ということです。
第1章 人には本来、恒常性や自然治癒力がある
人の身体には、「恒常性(ホメオスタシス)」があります。
つまり、身体は本来“健康な状態を保つ”ことを得意とし、
“不健康な状態を維持する”のが苦手なのです。
そのため、明らかな病気を発症する前――
特に慢性に経過する病気においては、
身体は(ときに本人にしかわからないような)小さなサイン=SOSをいくつも出しています。
それは「今なら自力で回復できる。だから労わってほしい、気づいてほしい」という、身体からのメッセージなのです。
我が国には我慢が美徳の文化があるけれど"体調がなんかおかしい"と感じた時、それは我慢のしどころではありません。
一人ひとりが体の声に耳を傾けて、SOSに気づくことができれば、病気を未然に防ぐことにつながります。
ただ、せっかく身体からのSOSに気づいてもそれを言い出せない職場環境、勇気を出して伝えても環境改善につなげられない状況では意味がありません。
第2章 病気は複数の原因が重なり合って発症する
病気が発症するとき、私たちはつい「これが原因だ」と特定したくなります。
寒さに当たったから風邪を引いたとか、
仕事のストレスでメンタルヘルスになったとか
遺伝とか生活習慣とか・・・
西洋医学的にはごく自然な発想です。
でも実際には栄養状態や生活習慣、免疫力、ストレス、出来事など複数の要因が重なって発症していることがほとんどです。
たとえば
ひざ関節の軟骨がすり減っていたとしてもそれだけが痛みの原因とは限らないし、メンタルヘルスはメンタルだけの問題ではない、ということです。
もちろん薬剤性による疾患や事故など、原因が明確な場合もあります。
けれど、がんや自己免疫疾患、感染症など、多くの病気においては複数の要因が複雑に絡み合って発症しているという視点を忘れないでほしいです。
もし具合が悪くて病院に行ったとき、お医者さんに「加齢のせい」と言われたとしても、それだけが原因ではないのだから、どうか諦めないで欲しいです。
おわりに 総合的なアプローチの重要性
つまり、健康を守るには特定の原因だけを追究するのではなく、
一人ひとりの体質やその人を取り巻く状況に向き合った
総合的なアプローチが大事になるということです。
その点で、私が働く人の健康維持にとても有用だと感じているものが、いくつかあります。
その中でも、柱となるものは分子栄養学(オーソモレキュラー)と東洋医学の考え方です。
近年、これらのアプローチは少しずつ注目されるようになってきましたが、
医療従事者をはじめ、今日の社会にその有用性が十分に浸透しているとはなかなか言いにくいと思います。
次回はみなさんにこの二つの医学の簡単なご紹介をしたいと思います。
お楽しみに。



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