働く人と栄養のはなし②~身体の機能を時計の歯車にたとえてみる~
- Chieko│労働衛生コンサルタント

- 7 日前
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▼目次
身体の機能の制御を時計の歯車にたとえてみる
人の身体は、健康に元気に活動できるためのたくさんの機能が備わっていて、
複雑に関わり合いながら恒常性を維持しています。
それはまるでたくさんの歯車が複雑にかみ合って動く“時計”のようなもの。
身体の中にも、いろんな働きをもつ歯車が複雑に入り組んでいて、
見事なコントロールのもとにうまく回っている、と例えることができます。
この歯車は、私たちの身体の中のさまざまな機能——
たとえば
感染症やアレルギーなどに関わる免疫系、
ストレスを制御するコルチゾールなどのホルモン分泌系、
脳内の機能に関わるセロトニンやGABAなどの神経伝達物質の分泌系、
慢性炎症の制御、そしてそれら全体を制御する自律神経のバランスなどを指します。
原因がはっきりしない身体の不調を「歯車のズレ」にたとえてみる
働く職場のみなさんが、なんとなく慢性的な不調を抱えている事は往々にあると思います。
体がだるいとか、どこかが痛いとか、頭がすっきりしないとか。
元気だったらもっと活躍できるのに、
本人が本来持ってる最大限のパフォーマンスが発揮できない状態にあると言えます。
でも、そうした不調は病院に行っても、解決に結びつかないことが少なくありません。
多くの医療機関では、身体の中の歯車(機能)を個別に検査するけれど、
大きな異常が見つからない限り「問題なし」とされてしまいます。
確かに1つひとつの歯車には、大きな故障はないのかもしれません。
でも実際には、歯車がほんの少しずつズレていて、その軽微な不具合がいくつも重なることで、身体という“全体のシステム”がギシギシとスムーズに動かなくなってしまう。
こんな状態が、客観的には大きな病気ではないけれど、本人は辛くて動けない、
もしくは「なんとなく不調」が長引いてしまっている理由といえるのではないでしょうか。
身体全体のバランスを整えるという視点
こうした状況においては、個々の歯車だけを見るのではなく、
身体全体のバランスを俯瞰して整えることが大事になります。
私は、いろんな臨床経験などを踏まえ、患者さんのいろいろな体調不良や病気が、ひとつの原因だけで起きることは少ないと思うのです。
栄養・ストレス・睡眠・環境——
様々な要素が重なり合って、やっと人は元気に動けています。
その中でも、栄養というのは体を構成する材料になります。
すなわち、栄養はエネルギー源や筋肉やおなかの脂肪になるだけでなく、
こうしたからだの機能制御に関与する物質1粒ひとつぶの原料にもなっている
ということです。
こうやって考えてみると、人の健康を考えるとき
栄養というのはとっても大事な要素であることがわかってくると思います。



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