働く人と栄養のはなし③~健康経営に分子栄養学という視点を~
- Chieko│労働衛生コンサルタント

- 5 日前
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▼目次
なんとなく不調を抱えている、働く人たちへ
分子栄養学は海外では医療分野でも注目されてきています。
我が国でも最近、タンパク質の大切さや「隠れ貧血」という言葉が少しずつ知られるようになってきています。
ですが現状では、生活に支障が出るくらい具合が悪くなってしまった人が、
病院に行っても「異常なし」と言われて、それでも体調が戻らずに困っている—
そんな人達が、藁にも縋る思いで色々な情報をかき集める中でようやく分子栄養学に出会う
というケースが多いと感じます。
でも今、私が願っていることは
その“ずっと手前の段階”で知ってほしいということです。
なぜなら、そうした慢性の不調に苦しんでしまう人達は、
そのずっと前から疲れやすいとか風邪を引きやすいといった不調を自覚しながら過ごしていた人が多いからです。
だから
今はそんなに深刻には困っていないけれど、なんとなく不調を抱えている働く人にこそ、
栄養の知識を身に付けて、自分の健康を守ってほしいのです。
健康経営へ分子栄養学という視点
そのために私は、医療現場という空間を超えて、
産業医学の領域で、職場で働く経営者や従業員一人ひとりに、こうした知識が広がってほしいのです。
栄養の視点を取り入れることで、働くみなさんが環境の変化などでストレスが爆増しても、栄養素不足が原因で体調を壊すことを予防することができます。
メンタル不調などを始めとする心身の不調で、就業が困難になってしまった人も、栄養状態を見直すことで、回復が早まることがあるかもしれません。
さらに、これといって今は不調を感じていない人たちも、
もっと元気になって、休みの日を満喫できたり
仕事のパフォーマンスが上がったり、お肌の調子が良くなったり――
今の生活自体をより豊かにすることもできるかもしれません。
そして長い目でみれば、将来の病気のリスクを下げることにもきっと役立つことでしょう。
おわりに
人の健康を考えるとき、「栄養がすべて」とは思っていませんし、
「分子栄養学こそが正しい」と主張したいわけでもありません。
きっと今後も研究が進み、知識は更新されていくでしょう。
ただ、少なくとも今言えることは
・栄養は、見て見ぬふりはできない重要な要素であること。
・一見すると栄養とは関係なさそうな不調にも、影響していることがあること。
・従来型の生活習慣病中心の栄養指導とは異なる視点を、職場の健康づくりに取り入れる価値は大きいこと
です。
体調が悪くても、病院では「異常なし」と言われると、
自分でも「気のもちようかな」と思って我慢してしまう方は少なくありません。
でも、栄養を整えて、ふっと体が軽くなったときに、はじめて気づくことでしょう。
「ああ、気のせいや年のせいじゃなかったんだ。食事で改善できるんだ」と。



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