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Well-being経営の新しいかたち④~人権と組織開発のはなし~

  • 執筆者の写真: Chieko│労働衛生コンサルタント
    Chieko│労働衛生コンサルタント
  • 10月17日
  • 読了時間: 5分

更新日:11月7日

少女が手にハートを持ち、鳩が飛んでいる。人権を象徴している。


▼目次



はじめに 人権と組織開発のはなし


Well-being経営の新しいかたち最終回は人権と組織開発の話です。


人権とは、人が人間らしく生きるために、人が生まれながらにして持っている権利です。


私は、人権が守られる職場とは、分かりやすく言えば――


ビクビクおびえて過ごすとか辛い苦痛に耐え続けるということがない職場といえると思います。


たとえば、業務を遂行する上で身体的苦痛がない、ハラスメントに怯えないなど、

そんな「当たり前」がちゃんと守られている職場です。


時には我慢が必要な場面もあるでしょう。


ここぞという時に、寝る間を惜しんで頑張ることは必ずしも悪いことではありません。


でも――

「他の人も辛くても我慢してるから、自分も我慢しなくちゃ」

「つらいけど、大丈夫、まだ我慢できる…」


そんなふうに、自分の気持ちをごまかしながら、

労働賃金と引き換えに、持続的な苦痛を黙って受け入れるような状態

になってはいけないのです。


それは、他の誰にも代えられない、

あなたの人生そのものを犠牲にしているかもしれないから。


第1章 「人権」は、守られているうちは見えにくい


日本では、学校教育でも「人権は大切」と教わります。


けれど、実際の生活の中で、どんなことが人権に関わるのかまで具体的に学ぶ機会は少ないかもしれません。


そもそも健康や基本的人権って、多くの人にとって、生まれながら当然のように与えられているものです。


そのため、おそらく人は、人権が守られてるうちは―問題なく社会生活が送れているうちは、


その重要性がピンとこないのです。


失ってみて初めて、人はその根源的な重要性を痛いほど身に染みて感じるのです。


だからこそ、職場での些細に思われる出来事の中にも、


「社員の人権はちゃんと守られているかな?」

「もしかして、この問題は人権に関わるのではないか?」


と意識して問い直す姿勢が必要です。


たとえば新人が業務を遂行する上で必要なことが分からなくて困っている。

という状況はよくあるし、それ自体は健康や人権を直接害するものではありません。


でも、上司や先輩が忙しそうにしていて聞きづらい、気軽に質問したら怒られそう、自分に問題があると評価されそう――


そんな雰囲気が職場に漂っていたとしたら?


ますます聞けなくなって、ずっと困り続けてしまい、やがて業務そのものが苦痛になってしまった――


もしそうなってしまったら、それは“良好な状態”ではありません


はじめはよくある出来事だったとしても、長引くことでじわじわと心をすり減らされ、well-beingとは程遠い状況へ発展してしまうことがあるのです。


第2章 Well-being実現のための組織開発的アプローチ


一方で、たとえ障害や持病があっても、

周囲の理解が得られて、本人に苦痛が生じないように社会が配慮することが出来れば、その人にとってのWell-being実現につながります。


「あれ、体調がなんかおかしい」と思ったとき。

「実は困っていることがある…」と感じたとき。



そんなときに、ためらわずに声を上げられる。

その声を、ちゃんと受け止めてくれる人がいる。

そして、それをきっかけに職場が柔軟に対応できる。



――そんな環境をつくるには

心理的安全性や風通しの良い職場風土、制度の運用といった

組織開発の視点が欠かせないのです。


第3章 働くことへの生きがいにつながる


心身の健康と安全が確保され、コミュニケーションが活発な職場では、

人は思ったことを素直に言えるようになっていきます。


日頃のちょっとしたモヤモヤを吐露出来たり、

ふとした思いつきを気軽に提案できるようになります。


すると、自発的な取り組みや創造性が高まり、仕事にやりがいが出てきます。


また、人は自身が満たされてくると、他の人に感謝されて嬉しいとか、利他的になっていきます


そして組織全体に優しさと活気が満ちてきて、創造性がイノベーションにつながります。


そうやって一人ひとりのWell-beingの向上が、企業の真の成長につながります



おわりに Well-being経営を実現するために大事なこと


いま、多くの企業が「社員の健康を守ることの大切さ」に気づき、職場の健康づくりに力を入れはじめています。


 そんな中、今私が提案したいのは、次の2つの視点です。


・一人ひとりが自分の体の声を聞き、個別具体的な体質があることを理解し、それと向き合うこと


・企業が組織文化に向き合い、意識改革や体制づくりに励むこと。


この両方を踏まえて、統合的に職場の健康づくりをデザインしていく。

それが、いま必要な新しい視点だと私は考えています。 



そしてここにおいて、分子栄養学・東洋医学・組織開発という

それぞれ独自に発展してきた3つの分野がつながるとき、


職場の健康づくりは飛躍的に進歩する、とわたしは思っています。



社員一人ひとりを大事にしたい。

組織全体をいい方向に変えていきたい。

そう思って日々奮闘しているあなたを、私は心から応援しています。



もし何か「もっと具体的に聞きたいな」と思うことがありましたら、

どうぞ気軽にお声をかけてくださいね^^

 
 
 

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